こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
2012年に小さな町でオープンした小さな完全予約制・完全個室の治療院で、一人ひとりにじっくり時間をかけて施術をしています。
健康の役に立つ雑学や知識をブログで紹介しています。
激辛チップスで救急搬送
2024年7月に激辛チップスを食べた都立高校生15人が体調不良を訴えました。
2019年にも文化祭で激辛の「デスソース」を混ぜたトマトジュースを飲んだ生徒9人が搬送された事件がありました。
海外でも2023年にマサチューセッツ州の14歳の少年がSNSの激辛チャレンジに挑戦した結果、死亡するという事故もありました。
激辛による健康被害は若者に特に多く発生しています。
若者に多く発生するのにはいくつか理由があります。
成長期の消化器系も自律神経も未熟
成長期中は消化器もまだ成長途中です。
完成されていないため、刺激から消化器を守る粘膜も未熟で脆弱です。
消化器とは口、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肛門までのことです。
消火器ではありません😅
更に自律神経も未成熟なため、急激な血圧変化や過剰な胃腸活動が起こってしまう事もあります。
若い方は辛い物を食べる時には注意してくださいね。
辛さは味覚ではない
辛さは味の一つですが、厳密にいうと味覚ではありません。
味覚は舌等にある味蕾が刺激を受け、脳に直接つながる脳神経が感じるものの事です。
辛さは味蕾では刺激を受けません。
温度や痛みを感じる温痛覚が刺激を受けて感じています。
その神経が脊髄神経(脊髄につながる神経)を経由して脳に伝わります。
簡単に言うと
- 脳から出ている神経で感じるのが味覚
- 脊髄から出ている神経で感じるのは味覚ではない
ということです。
辛さが美味しさより後に感じる理由
味覚を感じる脳神経は直接脳につながるため、あっという間に脳に伝わります。
一方で辛さは脊髄を経由してから脳に伝わるため伝わるスピードが遅く、味よりも少し遅れて脳に伝わります。
辛い料理を食べたときに「美味しい!」と感じ、
ちょっとしてから・・・
「・・・辛~い!!」
となるのは、
味覚と味覚以外の神経の伝わるスピードが違うからです。
科学的な辛さの定義とは
辛さを感知する部分が【カプサイシン受容体】であると発見したことで、David Julius氏とArdem Patapoutian氏は2021年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
それまでは辛さが温痛覚だという事はわかってましたが、感知する受容器が何かははっきりしていませんでした。
辛さを表すスコビル値という単位
辛さには「スコビル値」という辛さを表す単位があります。
スコビル値とは
「唐辛子水溶液を何倍の砂糖水で割ったら辛さを感じなくなるか?」
という単位です。
スコビル値の計測方法
①唐辛子を溶かした液体(唐辛子水溶液)と砂糖水を用意する。
②唐辛子水溶液に砂糖水を加える。
③出来上がった液体が辛さを感じなくなるまで砂糖水を足す。
④何倍の砂糖水を足したら辛さを感じなくなるか?を調べる。
つまり、「何倍の砂糖水で薄めたら辛さを感じないか?」がスコビル値です。
冒頭の高校生が搬送される原因になったポテトチップスに使われていた唐辛子は「ブットジョロキア」という品種で、スコビル値は100万を超えるそうです。
スコビル値が100万以上という事は、砂糖水で100万倍に薄めるまで辛さを感じるということです😱
その他のスコビル値は
- タバスコ2000
- ハラペーニョ3000
- デスソース1万
- 鷹の爪5万
- 催涙スプレー(対人)20万以下
- (熊よけ)20万以上
- ハバネロ30万
- ペッパーX(ギネス認定の世界一辛い唐辛子)318万
- THEソース700万
- 純粋なカプサイシン1600万
となっています。
スコビル値の基準になっているのはピーマンの0です。
計測方法はかなりアナログ
スコビル値の計測は「複数人が実際に飲んで計測する」という方法です。
個人の感想の集合なので、誤差が出やすい値です。
私は検査する人になりたくないですね・・・。(辛いの苦手です)
他の味には味の強弱を表すような数値はないので、辛さはやはりちょっと特別な感覚なんですね。
激辛も良いですが、健康のためには辛さは程々が良さそうです。
日頃の健康管理には鍼灸治療も大切です。
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