こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
上井草すまいる鍼灸整骨院は2012年に小さな町でオープンした小さな治療院です。
完全予約制、完全個室でじっくり時間をかけて施術をしています。
こちらのブログでは、皆様の健康の役に立つ雑学や知識を紹介しています。
ここ何年かで呼吸が話題になる事が多かったように思います。
- 呼吸による感染とか
- 「○○の呼吸」とか
- 人工呼吸器ECMOとか
話題になっただけでなく実際に流行していたらしいですよ。
世界中でアンケートした結果、「最近、呼吸しましたか?」という質問には、なんと100%の人がyesと答えたそうです(笑)。
そんなに注目されている呼吸ですが、そのしくみは意外と知られていないかもしれません。
今回はその呼吸について少し説明していきます。
今回のブログはこんな人にオススメ!
- 呼吸についての知識を得たい人
- 自律神経の整え方を知りたい人
- 呼吸を上手く使えるようになりたい人
- 最近呼吸した人(笑)
それでは早速いきましょう!
呼吸とは
呼気(息を吐く)と吸気(息を吸う)を合わせて呼吸です。
当たり前ですが、どちらかだけではうまく機能しません。
呼吸は酸素を吸って、二酸化炭素を吐くというイメージがありますが、
呼気(吐く息)に含まれる
酸素は約16%
二酸化炭素が約4%
窒素約78%
一方、大気(吸う空気)の成分は
酸素約20%
二酸化炭素約0.4%
窒素約78%
です。
この数字を見ると確かに酸素を取り込んで二酸化炭素にしています。
酸素が約4%減って、二酸化炭素が約4%増えてはいます。
でも、思っているより差が少なくないですか?
実は呼気に含まれる二酸化炭素はそれほど多くありません。
私は30~50%位の二酸化炭素が呼気に入っているのかと思っていました。
呼吸と言えば肺
呼吸に関わる内臓と言えば肺です。
実は肺は自分で活動する力がありません。
つまり、肺がいくら頑張っても呼吸はできないのです。
では、肺がどう呼吸しているかというと、肺を囲んでいる胸郭という部分が膨らんだり縮んだりして肺を動かしています。
胸郭は密閉された袋のようなもので、横隔膜や胸の筋肉が動かしています。
上の絵では、周りの容器が胸郭で中の風船が肺です。
容器を広げると中の肺も広がるという感じで働いています。
胸郭や肺に穴が開いてしまうと、空気が漏れてしまい肺を膨らませることができなくなってしまいます。
それが気胸です。
下のイラストの様に、膨らむ力を失くした肺はしぼんでしまうのです。
どんなに呼吸しても肺が膨らまない状態になってしまいます。
過去に私は気胸を3回繰り返しました。
あの時はきつかった・・・
自分の意志で動かせる筋肉(随意筋)を使って肺が働いているので、肺は内臓の中で唯一コントロールできる臓器です。
多少のコントロールができると言っても、呼吸は基本的に自律神経によって管理されています。
自律神経とは、意識しなくても体を管理してくれている神経です。
例えば運動する時に鼓動の速さをコントロールしたり、暑かったら汗をかいたりするように全身を常に管理してくれています。
この自律神経に管理されているので、呼吸は基本的に自動で行われているのです。
自動で働いてくれないと、睡眠中や意識のない時に窒息してしまいますね。
呼吸で自律神経をコントロールする
自律神経に管理されている呼吸ですが、逆に呼吸が自律神経を動かすこともできます。
吸気時には交感神経優位(興奮状態)になり、呼気時は副交感神経優位(リラックス状態)になります。
わかりやすく言うと
息を吸う時には全身が興奮した状態になり、息を吐く時にはリラックスします。
つまり、ゆっくり息を吐くと落ち着くのです。
これはため息でも同じ効果があります。
イライラした時にため息を吐くのは自律神経的には悪くない、むしろいい事なのですね。
吸い過ぎに注意!
逆に息を吸い過ぎると興奮が過剰になってしまいます。
息を吸い過ぎる
↓
興奮しすぎる
↓
更に呼吸が早くなる
↓
興奮が止まらなくなる
このような経緯で過呼吸になってしまう事があります。
もしこんな状態になってしまったら、ゆっくり息を吐くようにしましょう。
簡単にそれができればいいのですが、それができないから苦しくなってしまうのです。
その時は息を止めるくらいの気持ちで大丈夫です。
吸い過ぎるよりは楽になります。
注意点として、呼吸をコントロールするのは自分の呼吸だけです。
苦しそうにしている人の呼吸を無理に止めようとは絶対にしないでください。
過呼吸で辛くなる原因は酸素が足りないからではありません。
体内に酸素が増えすぎてしまうからです。
苦しいというと酸素が足りないというイメージがありますが、実際は体内に酸素が増えすぎてしまって苦しいのです。
覚えておいて損はありません。
口は呼吸する器官ではない
人間が呼吸する場所は鼻と口です。
しかし、医学的には呼吸器は鼻だけであり、口は呼吸器ではなく消化器です。
口で呼吸できるのは人間だけで、他の哺乳類は口で呼吸ができません。
他の生物の場合、口は食道~胃につながり、鼻だけが気管~肺につながります。
口と肺がつながっているのは人間だけです。
つまり口で呼吸できているのは人間だけなのです。
そして、口と肺がつながっている管が気管です。
その気管に声帯ができたので人間は話すことができるようになり、言葉を手に入れたのです。
言葉を使ったから人間は進化しました。
現在の人類の発展の大きな要素は口呼吸にあったのです!
反面、口と肺がつながったことで誤嚥(食べ物が肺に入ってしまうこと)という悲劇もあります。
他の動物は口と肺がつながっていないので、誤嚥することはありません。
諸刃の剣によって進化してきたのですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
呼吸や自律神経、睡眠の問題なども取り扱っていますので、お困りの方は当院にご相談ください。
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