こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
上井草すまいる鍼灸整骨院は2012年に小さな町でオープンした小さな治療院です。
完全予約制、完全個室でじっくり時間をかけて施術をしています。
こちらのブログでは、皆様の健康の役に立つ雑学や知識を紹介しています。
今回は認知症と物忘れの違いについてまとめました。
専門用語をなるべく使わず、わかりやすくしてあります。
今回のブログはこんな人にオススメ
- 認知症について知りたい人
- 家族の認知症が心配な人
- 自分が認知症になるんじゃないか心配な人
- 脳の機能に興味のある人
- 認知症って治るの?と思っている人
それでは早速いきましょう!
明日の記憶
私は「明日の記憶」という小説が大好きです。
渡辺謙主演で映画化もされました。
原作は荻原浩さんで、この方の小説はほとんど全部読んでいる位大好きな作家さんです。
いきなり何言ってんの?
すいません。
いきなり脱線してしまいましたが、認知症の話と関係があるのです。
この小説は若年性アルツハイマーになってしまった男性の話です。
私はうかつにもこの小説のラスト部分をカフェで読んでしまい、泣き顔を周囲に晒すという醜態をさらしてしまいました。
今までで一番泣いた作品だと思います。
興味のある方は一度読んでみてください。
認知症と物忘れの違い
脳科学者の茂木健一郎氏は、基本的に「脳は一度覚えたものは全て覚えている」と言っています。
覚えていない・忘れたというのは、脳に記憶はされているけど思い出せないという状態という事です。
どこかにしまってはあるんだけど、
しまった場所を忘れてしまった状態です。
記憶と言えばやっぱり気になるのは認知症ですね。
冒頭で紹介した「明日の記憶」の主人公は49歳で若年性アルツハイマー病を発症しています。
私も今年49歳なので他人ごとではありません。
アルツハイマー病の4~5%は65歳以下の若年性アルツハイマーだそうです。
恐らく誰もが認知症にはなりたくないと思います。
しかし、年を取ると誰もが年齢に伴い物忘れが出てきます。
この物忘れと認知症は全く違う物なので、しっかり分けておきましょう。
ザックリ言うと
物忘れは名前の通り一度覚えたものを忘れた状態
認知症は覚えることができない状態
です。
認知症は忘れるのではなく、記憶する機能が無い状態です。
例えば、食事についての記憶では
「物忘れ」ならば昨夜食べたメニューを忘れることです。
「認知症」の場合は記憶する機能が無いので、つい数分前にした食事の事も覚えていないという状態です。
物忘れは忘れているだけなので、ヒントをもらえば思い出せますが、認知症はヒントをもらっても思い出せません。
そもそも覚えていないのですから。
この図は認知症と非認知症の違いを表したものです。
この図のMCIとは軽度認知障害という状態で、認知症前のグレーな状態です。
MCIの状態では1年で約10%、5年で約40%の人が認知症に移行しています。
反対に14~44%の人は健常者の状態に戻っています。
65歳以上の4人に1人はMCIに該当するそうです。
このMCIの状態のうちに回復することが大切ですね。
現在の医療ではMCIから健常者への回復はできますが、認知症からMCIや健常者への回復は難しいという事です。
では、MCIから回復するために何をすれば良いでしょうか?
- 食生活の改善
- 適度な運動
- 十分な睡眠
まずは上記のような基本項目で健康な生活を送ることが第一です。
もちろん、当院の様な鍼灸院、治療院等で未病に対するアプローチで健康状態を保つことも大切です。
続いて
- 血行を良くしておく
- 自律神経を整えておく
- 胃腸の調子を整えておく
等の健康状態を維持することも、脳にとって大切です。
ここまではごく当たり前の事ばかりです。
普通に健康的な生活と普段からの健康管理が大切という事ですね。
脳を活性化する方法の一つとして、畏敬の念を持つことも有効です。
畏敬の念とは、敬服する気持ちという事です。
自然や神仏、アートなどに対して感動して心から敬うということで、脳が活性化するのです。
コミュニケーションが大切
そして、もう一つとても大切なのは人とのコミュニケーションです。
なるべく多くの人と楽しく笑顔でコミュニケーションをとることは、何よりも認知能力を高めてくれます。
電話やZOOM等のオンラインでも良いのですが、直接対面でのコミュニケーションが一番大切です。
オンラインでの疑似面会と直接面会では、脳に与える刺激が全く違っています。
人の脳機能はオンライン対面を対人コミュニケーションとして認識できません。
直接対面する時に活動する脳の部位とオンライン対面時の脳の活動部位は、活発に活動している部分が違うという事です。
今の時代、みんなで直接集まれる機会がかなり少なくなっています。
人が集まれば感染症が発生するというのは、どんな時代も同じです。
でも、人は集まってコミュニケーションをとる事で進化してきた生物です。
コロナ禍で人との接点が減少してしまっているために、認知症患者が増加しているという報告もあります。
感染症には気を付けなくてはいけませんが、感染症だけを過度に恐れてしまう事で本当に大切な健康で幸せな生活を失わないようにしなくてはなりませんね。
最後まで読んでいただき有難うございました!
参考文献 荻原博 明日の記憶
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