こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
上井草すまいる鍼灸整骨院は2012年に小さな町でオープンした小さな治療院です。
完全予約制、完全個室でじっくり時間をかけて施術をしています。
こちらのブログでは、皆様の健康の役に立つ雑学や知識を紹介しています。
最近なにかを諦めたましたか?
または、諦めた人を見ましたか?
確かに諦めが肝心という時もありますが、挑戦する前から諦めてしまってはもったいないですね。
今回は人が諦めてしまう理由についてのお話です。
今回のブログはこんな人におすすめ!
- 心理学に興味がある人
- 挑戦している人
- 諦めないようになりたい人
- 諦めてしまう理由を知りたい人
- 諦めるデメリットを知りたい人
それでは早速いきましょう!
学習性無力感
諦めについて研究していたマーティン・セリグマンという心理学者が「学習性無力感」という心理現象を発表しました。
学習性無力感を調べるために犬に電気ショックを与えるという実験をしました。
かわいそう・・・
実験内容は
- 犬を2グループ(A,B)に分けます
- グループAの犬は柵に囲まれているけど、ちょっと頑張れば電気ショックから簡単に逃げられる状況
- グループBは電気ショックの所に括り付けられて、どう頑張っても逃げられない状況
- 両グループの犬に何回も電気ショックを与える
- Aの犬は電気ショックの度に逃げ、Bの犬は逃げられない
- 実験を繰り返した後、両グループの犬を簡単に逃げられる低い囲いの中に入れる(どちらのグループも簡単に逃げられる)
- どちらも簡単に逃げられる状況で再び電気ショックを与える
どちらも簡単に逃げられる環境ですがどうなるでしょうか?
元々逃げられることを学んだグループ(A)の犬は柵を飛び越え、すぐ逃げました。
逃げられない事を学んだグループ(B)の犬は、逃げずにひたすら耐え続けました。
どちらの柵も同じ高さなので両グループ共に簡単に逃げられる状況なのに、できないと学習してしまった犬は挑戦すらしなくなってしまったのです。
人間での実験
この実験は人間にも行われました。
流石に人間には電気ショックはしませんでしたが、とても不快な騒音を与えました。
- 片方のグループ(A)はスイッチを操作すれば騒音を止められます
- もう片方のグループ(B)は終了時間までどうやっても騒音を止められません。
その実験が終わった後、改めて両グループに他の場所で同じ騒音を与えました。
先ほどまでとスイッチが少し違って、どちらのグループのスイッチもちょっと難しい仕掛けが付いています。
仕掛けを解いてスイッチをオフにすれば騒音を止めることができます。
騒音を止められることを学んでいたグループ(A)は多くの人が困難に挑戦し、騒音を止めました。
自分では騒音は諦めるものと学んでしまったグループ(B)の大多数は早い段階で挑戦を辞めてしまい、止められないままの人が多くなりました。
この様にできないという事を繰り返し学習してしまうと、挑戦することすらしなくなる状況をセリグマンは学習性無力感と名付けました。
学習性無力感の怖さ
この学習性無力感が怖いのは、ただ挑戦を止めてしまうというだけではありません。
学習性無力感を感じると免疫力が低下し、更に死亡率まで上昇してしまうのです。
また新たな実験を行いました。
学習性無力感の影響を調べるために、ネズミに致死率50%のがん細胞を移植しまして、1か月後にどれだけ生き残っているか生存率を調査しました。
ネズミも3グループに分けました
(A)学習性無力感を与えたネズミ
(B)逃げる事を学んだネズミ
(C)特に何もしていない普通のネズミ
この3グループに分けて、それぞれの生存率を調べてみました。
どんな結果になったでしょうか?
特に何もしていない通常のネズミは50%が生存していました。
逃げられることを学んだネズミは63%が生存していました。
学習性無力感になっているネズミの生存率は20%でした。
学習性無力感は心を弱くするだけでなく、免疫力まで低下させてしまったのです!
死亡率が30%も増加するというのはかなりの違いですね。
この学習性無力感の怖いのはネズミだけの話ではありません。
なんと人間も学習性無力感によって、健康や寿命に影響がある事が証明されています。
ネズミの様にがん細胞を移植することはできませんので、同様の実験を行ったという訳ではありません。
人間への調査では楽観的な性格と悲観的な性格での免疫力について調べました。
まず参加者を楽観的な人、一般的な人、悲観的な人に分類して、それぞれのグループの心疾患(心臓などの病気)での死亡率を比較しました。
結果は楽観的な人は心疾患による死亡率が一般的な人より20%少なく、悲観的な人は一般的な人より20%多かったのです。
まとめると
心疾患での死亡率
悲観的な人
死亡率20%UP⬆️
一般の人
死亡率20%UP⬆️
楽観的な人
という事でした。
楽観的な人と悲観的な人では40%も心疾患のリスクが違ったのです。
その他にも楽観的な人の方が寿命も長かったり、インフルエンザの罹患率が低かったりと様々な研究で差が明確になっています。
脱出方法
さて、ここまで怖い話ばかりになってしまいました。
皆さんをネガティブにしたままで終わるわけにはいきませんので、ここからは学習性無力感からの抜け出し方です。
もしも学習性無力感になってしまっている人は、自己効力感を高める事で改善できます。
自己効力感とは簡単に言うと「やればできる!」という感覚です。
自己肯定感に言葉は似てますが少し違います。
自己肯定感は「何もできなくても私には価値がある!」という感覚です。
- 自己効力感=自分ならやればできる!
- 自己肯定感=自分には価値がある!
自己効力感を高める方法で一番有効なのは、小さな成功を重ねる事です。
小さな成功で良いのです。
「これができたんだから大丈夫!」と思えるようになると抜け出せます。
今日だけ頑張る!
これだけは終わらせる!
1個だけ完成させる!
そんな感じです。
自分が学習性無力感にハマってしまっているという方はぜひ当院にご相談ください。
一緒に抜け出す方法を考えていきましょう!
参考文献 マーティン・セリグマン ポジティブ心理学の挑戦
ケリー・マクゴニガル スタンフォードの自分を変える教室
コメント