こんにちは!
上井草すまいる鍼灸整骨院の赤羽です。
2012年に小さな町でオープンした小さな完全予約制・完全個室の治療院で、一人ひとりにじっくり時間をかけて施術をしています。
健康の役に立つ雑学や知識をブログで紹介しています。
今回は「人はなぜ周りと同じ行動を選ぶのか」というお話です。
同調っていうヤツですか?
最近、同調という言葉をよく聞くようになりましたね。
その同調を説明していきますね。
今回のブログはこんな人におススメ
- 同調について知りたい人
- 同調の良い部分と悪い部分を知りたい人
- 周りの目が気になる人
- 人と違うことをしたいけど、勇気が出ない人
- 嫌われるかもしれないのが怖い人
同調とは
同調とはどういうものか、事例をあげて説明します。
自分ならどうするか想像してみてください。
あなたは初めて来た街にいます。
おなかが空いたので食事をしようと思いお店を探していました。
そこで2軒のお店を見つけました。
2軒とも外観もメニューも大体同じです。
A店には店の外まで行列ができているが、B店は明らかにガラガラです。
特に急ぐ理由は無い場合にあなたはどちらのお店を選びますか?
混んでるお店の方が良さそうな感じがします。
A店の方がおいしそうだけど、並ぶの嫌だからB店にしようかな。
このようにA店を選んだ人や、待つのがイヤだから選ばなかったけど「A店の方がおいしそうだな」と思った人は多いのではないでしょうか?
ここでは行列があるかないか以外は全て同じ条件です。
それなのにA店を選ぶ人が多いのは、同調バイアスという心理現象が影響しています。
同調バイアスとは他人の行動によって自分の行動や考えを変えるという心理現象です。
同調バイアスは
- 情報として他人の行動を利用する。
- 他人の行動を規範として同じようにふるまう。
という二つのメカニズムによって発生します。
アッシュの同調実験
社会心理学者のアッシュが行った有名な実験を紹介します。
大学生8名を1グループとして実験室に集め、3つの簡単な問題に答えてもらいました。
最初の2つは全員正解しました。
本当の実験のための問題は3問目です。
2枚のカードを見せ、左のカードの線と同じ長さの線を右のカードの1~3から選ぶという問題です。
さすがにこれは簡単です!
2ですね。
確かにとても簡単な問題ですが、この実験にはしかけがありました。
この実験の本当の実験参加者は1名だけで、残りの7人はサクラだったのです。
先に答える6人のサクラが全員
1です
1です
1!
と次々に自信満々で答えて、最後から2番目に本当の参加者が答える番がくると、参加者の多くは戸惑いながらも
1・・・
と答えることが多くありました。
この実験では誤答率(間違える確率)が36.8%にもなりました。
普通なら間違える人はほぼ0になるはずの問題なのに、36.8%もの人が間違えるとは驚きです。
繰り返し行った場合には、周囲の答えに一度も合わさなかった人(同調しなかった人)は25%だけだったという事です。
75%もの人が1回は間違えたということですね。
同じ問題を一人の部屋で答えてもらった場合の誤答率はほぼ0%でした。
周囲が先に答えるという事を足しただけで正解を出せるのは25%、4人に1人しかいなかったのです。
しかもこれはイギリスで行われた実験です。
日本は欧米と比べて同調が発生しやすいと言われています。
正しい答えが分かっていても、周囲が間違えてるから自分も・・・という経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
私はあります。
災害時には同調が起きやすい
悪い同調の例
災害時には同調が良く発生します。
火災が発生した時に誰かが走り出したことでみんなもつられて走り出して、将棋倒しが発生してしまうというのは同調が原因になっています。
他にも暴動が起きた時、商店に人々が次々に押し入り、略奪が起こるのも悪い同調の例です。
海外のニュースでよく見ます。
あれはみんな元々悪い人なんじゃないのですか?
一部の悪者もいますが、略奪に参加しているほとんど人は普段は普通の人たちです。
周りが奪っているから、自分も参加しないと損する気がしてしまって参加しているのです。
「赤信号みんなで渡れば怖くない」みたいですね。
良い同調の例
一方、災害時に同調が良い方向に役立つこともあります。
2020年TDRでの実例です。
恒例のパレードの最中に緊急地震速報が鳴り響きました。
みんなが持っているスマホから大きな音が鳴り響き、みんな一瞬パニックになりました。
その時にパレード中のミッキーやドナルド、そして周囲のスタッフが落ち着いて「頭を守る姿勢をして下さい」と言葉と行動で見本を示しました。
すると、パレードに集まっていた人たちも慌てることなく落ち着いて、その場で頭を守ってしゃがみこみました。
みんなが見ているミッキーやドナルドたちが落ち着いていたので、みんなも落ち着くことができたのですね。
結局、緊急地震速報は誤報で地震は起きなかったのですが、これは同調が良い方向に働いた事例です。
そんな良い結果になることもあるんですね。
このように同調バイアスが良い方向に向かうことは、とても珍しいです。
多くの場合はマイナスに働いてしまいがちです。
「自分の行動は同調バイアスによるものではないか?」と時々考えてみることも大切です。
炎天下で近くに人がもマスクをしたままの人が多いのは、この同調バイアスが関わっていると私は感じています。
同調バイアスが熱中症の原因にならないことを願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
周りが気になって行動できない人は当院にご相談ください。
当院の施術では、心も身体もケアしています。
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